個人で会社を買うための全知識と実際に買ってわかった12の教訓!スモールM&Aで起業や投資をする前に知っておきたいことを解説

一時期、スモールM&Aというか、会社や事業を買うことにすごくハマっていた時期がありました。
利益を保険とかで節税するよりは、事業を買ってしまおうということで、サロンなどの店舗を買ったりしていました。
うまくBS/PLを改善させることで一気に数ヶ月とかで数倍の値段で売れたりしますし、起業したい人にもゼロから立ち上げるよりも成功する可能性が高いので、一度は検討すべき選択肢がM&Aだと思います。

実際に一時期経営していたネイルサロンです↓↓(ここはすでに売却しました)

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一方で、不動産投資のように、スモールM&Aでの投資や起業は、だれでもうまくいくものでもありません。
最近個人で会社を買うのがオススメであるというような本が流行っていますが、実際に個人で会社を買ったことがある経験者としては、特にサラリーマンの方がこの領域に手を出すなら知っておいた方がいいことがいくつかあると思います。

今回は、そんな個人で実際に会社を買う際の基礎的な知識のすべてと、実際に買った経験で分かった12の教訓について、書きたいと思います。
スモールM&Aは、うまくやれば投資としても美味しいですし、起業としても成功率が高いかと思うので、しっかりと現実を知り、期待値を上げすぎずに、M&Aの案件に手を出すかを判断することが重要になります。

「M&Aとかって、教科書的な解説はいろんなところにのってるんだけど、現実離れしてるよなー。だれか経験者がわかりやすく全部教えてくれないかなー。」

ってずっと思っていました。
ところが、それから数年経って、いまだWebメディアや本でピンとくるものは、あまり見当たりません。

また、だれかに聞こうと思っても、M&Aの経験を踏んできた経営者や士業、M&Aのアドバイザーなどと、これからごくごく小さい店舗や事業などのスモールM&Aをしたい一般の人の感覚って少し違うんですよね。。
なので、相談相手が実は少なかったりします。

教科書的なことはどこでも読めますし、あまり参考にならなと思うので、いままで事業をしてきていない普通の人の視点で、いま私がこれからスモールM&Aで個人で会社を買うなら知っておきたいことを、いろいろ教訓まじえて、まとめていければと思います。

いろんな失敗をしながら、いろんなセミナーや勉強会にいき、いろんな方に話を聞いて、現場で勉強してきた実際に使える知識や教訓だと思っています。
士業でも、M&A業界出身でも、銀行や証券会社出身でもない私が、苦労して学んできた内容なのです。
ぜひこれから個人で会社を買っていきたいという人の役に立てば幸いです。

Contents

個人で会社を買うための基礎知識

教訓を紹介していく前に、まだまだM&Aや事業譲渡というと、大企業がやるもので、個人や中小零細企業とは縁のないものというイメージを持つ方もいらっしゃるかと思いますので、基本的な話からしていきたいと思います。

教科書的な話ではなく、実際の経験に基づいた話なので、多少内容や理解が荒いものもあります。
細かく正確な制度や手続きは、わざわざここで書かなくてもいろんな本やWebメディアがあるので、そちらを読んでください。
正直、スモールM&Aではあまりそういう教科書的な常識が通用しないとこが多いなという経験があるので、ここではざっとこれくらい知っておけばいいかなということをまとめたいと思います。

そもそも個人で会社や事業を買うことはできる?

そもそも個人レベルや中小零細企業が、会社や事業をM&Aで取得するというのは、全然可能です。
可能というか、実は割とみんなやっています。
私の周りでも、副業で飲食店やってたり、ネイルサロンやってたり、中には雀荘やってる人とかも知ってます。
そういう人は、もちろんゼロから立ち上げる方もいますが、多くの場合はすでにうまくいっている店舗や事業を買収することで始めています。

「M&A」や「事業譲渡」とかいう難しい聞き慣れない言葉なので、なんとなく個人や中小零細企業では無理なのかなという気がするかもしれませんが、ただ事業を引き継ぐだけのことです。
個人や中小零細企業でできないわけはありません。
親から子供に社長を事業承継するのと同じで、現役の社長から第三者の赤の他人に事業を承継するのも、別に一緒ですよね。
そう考えると、店舗や中小零細企業、スモールビジネスの承継なんて日常茶飯事で、たまたまそれが子供などの親族ではなく、第三者のその事業を譲渡した人に承継されるというだけで、簡単な話です。

個人で買える会社や事業の案件って結構あるの?

個人で買える会社や事業の案件は、腐るほどたくさんあります。

たしかに大きいM&Aのニュースしか新聞やWebメディアで流れないので、M&Aというと大企業が何千億円とかを掛けてやるものだというイメージが広く持たれています。
M&Aで本当に美味しいというか、儲かるのはそういう何百億円、何千億円という規模のアドバイザリーだったりするので、投資銀行などの金融機関やファンド、コンサルなどが主体になって、大企業のM&Aを中心に業界ができてきました。

ですが、ニュースにならないだけで、個人レベルや中小零細企業が買えるM&Aの案件は、昔から一般的に取引されていました。
特に、飲食店やネイルサロン、リラクゼーションサロンなどの店舗系のM&Aや、アフィリエイトサイトやWebメディアなどのサイトM&Aは、ずっと前から盛んで案件もたくさん流れています。

また、最近では、事業承継が盛り上がってきましたし、M&A案件のオンラインのマッチングサイトなども出てきたので、かつてより案件が目に見えるところで流れるようになりました。
今後10年間で70歳を超える中小企業や小規模事業者の経営者は、約245万人と言われています。
その約245万人うち、約半分の127万人が後継者未定と言われていて、それらが後継者不在のまま潰れる可能性があります。
ところが、そのうちの多くの会社は、健全な財務状況だったり、優良な顧客や技術を持っていたりして、潰すのが勿体ない事業です。
そのような事業は、M&Aで意欲ある買い手に引き継がれていくことになるので、そうすると、今後さらにM&Aの案件が市場に流れると考えられます。
もちろん、全部が全部、個人や中小零細企業で買える額の規模の会社ではありませんが、多くの家族経営の小さな事業もM&Aで承継されていくことが見込まれます。

個人で会社を買うステップ

個人や中小零細企業で、スモールM&Aの小さい案件を買収するときは、ケースバイケースではありますが、比較的シンプルなステップで買います。
数百万円とかの案件に、数十万〜数百万円掛けて、アドバイザーつけたり、綿密なデューデリジェンスをしても、ペイしないので、かなりシンプルです。

個人や中小零細企業で買うようなスモールビジネスのM&Aでの大まかなステップは、

  1. 売り案件を探す:仲介会社orオンラインマッチング
  2. NDA締結
  3. 詳細情報の開示
  4. トップ面談
  5. 条件や価格等の交渉
  6. 契約書の締結

となります。
あくまで個人レベルで買える規模のスモールビジネスでのM&Aなので、いろんな本やWebメディア等にはより多くの様々なステップが教科書的に書かれていますが、現実問題はこれくらいのステップで行われることが多くあります。

ちょっとM&Aになれた人や知識のある人からは、

「デューデリとかやらないの?」

という質問ももらいそうなのですが、ケースバイケースです。
ただ、残業代などの労使関係の調査と、税金の調査だけ抑えておくことで、あとは契約書の表明保証などでリスクヘッジしておけばどうにでもなるという案件も多く、そんなに弁護士等にコストを払ってまでDDをすることはないことも多いです。

あとは、買収する業種にもよります。
許認可が必要だったり、工場や葬儀場のように法律や条例で制限のある業種、サイトM&Aのように薬事法等による記載の制限が厳しいものなどは、綿密な調査をしてから買うのがいいこともあります。

個人で会社を買うスモールM&Aの相場は?

個人や中小零細企業で会社を買うときのスモールM&Aの相場は、数百万円ではないかと思います。
特に、相場があるわけではなく、個人や中小零細企業の方の収入や資産で手を出しやすいレンジが数百万円あたりかと。
私も実際には、そのあたりのレンジで、100万円〜1,000万円くらいの案件を中心に手を出していました。

実際に案件でいうと、数百万円のものもありますし、数千万〜1億円以上のものもあります。
1,000万円を超えると、ちょっと遊びでやるとか、副業で片手間でやるとはなりにくく、本気で本業としてやるならありかなと思います。

また、最近は「継業」といって、自治体が主導して、地域の廃業する事業を事業承継させようということも取り組んでいます。
和歌山県とか、このあたりかなり前向きに取り組んでいるらしいです。
民宿やカフェの継業とかが、事業承継で引き継がれているとか聞きました。
地方の継業の場合、

「お金じゃなく、思いを引き継いでほしい」

というノリなので、少しM&Aで事業を買うとは別の雰囲気というかノリになります。
なので、案件によっては0円でタダで引き継ぐこともできるらしいです。

タダというと美味しいように聞こえますが、地方の過疎化が激しいところに移り住んで、本業として生涯そこでその継業した事業を長くやる覚悟が必要です。
美味しい案件があるかもしれませんが、副業や投資、既存事業の拡大を目的としている場合は、地方の継業はNGですね。
しっかりと買収金額を払って、優良な事業を買った方がいいです。

スモールM&Aの買収価格はどう算定する?

スモールM&Aの場合、買収価格を出す企業価値算定は、非常に難しく、恣意的なものです。
教科書やWebメディアとかをみるといろんなバリュエーションの方法はのっています。
ただ、DCF法などの教科書に出てくるようなバリュエーションの方法は、スモールM&Aでは意味がないことがほとんどです。
そもそも決算資料すらまともにないような事業もあるので。

なので、スモールM&Aの場合、実際は当事者が合意する価格でしかありません。
つまり、Aというエージェント経由での買い手では1,000万円でも、Bというエージェント経由の買い手では300万円ということが普通にあります。
当事者が合意すれば、いくらでもなりえます。
物件とのめぐり合わせのタイミングと、価格は運というところですね。

とはいいつつ、そうはいってもどう考えて交渉したらいいねんという感じの方もいらっしゃるかと思うので、一般的に多くの人が考えて判断しているのは、

  • 売上や利益の数倍
  • その事業をゼロからはじめるとしたらいくら掛かるか

あたりかと思います。

「売上や利益の数倍って、何倍やねん!」

って言われるかもしれませんが、そこは業種とそのときの市場次第です。
投資ファンドの投資基準みたいにEBITDA×8ヶ月とか12ヶ月とか、明確な基準があるわけではありません。
たとえば、店舗だと12ヶ月分とかで考える人が多かったり、サイトM&Aだと24〜36ヶ月で考える人が多かったりですね。
もちろん、その長さも、案件の需給でうごくので一概には言えません。
自分の投資回収期間として、BS/PLを見て、この長さなら回収できるなという期間で考えるのがいいかと思います。

超マネーゲーム的な方法をやるとすると、まだまだ上記のように買収価格の算定基準のコンセンサスがないので、

  1. 200万円である店舗を買う
  2. 3ヶ月後に別のエージェント経由で500万円で売る

というようなことも実際に可能です。
やっている人もいますし、私も実際に1度やったことがあります。
とはいえ、店舗とかだと名義を一旦自分にうつして、さらにまた譲渡先に移すのは大変めんどくさいので、二度とやりたくないですし、やるつもりもありません。
サイトM&Aのような引き継ぎに労力がかからない事業だと容易にできますので、やる人が多いですね。
もちろん、あまりやりすぎると業界でうわさになり、いい案件とかが流れてこなくなるので、そんなにいつまでもボロ儲けできるわけではないですが。

どんな人がスモールM&Aで事業や会社を買っている?

どんな人がスモールM&Aで事業や会社を買っているかというと、特に特徴はなく、あらゆる人がいます。
今回の記事は、私が実際にスモールM&Aで事業を買った経験に基づいて書いていますが、反対に売ったことももちろんあります。
その際に書いて候補で問い合わせてきたのが、

  • 同業、別事業にかかわらず事業をやっている経営者
  • 投資家
  • サラリーマン
  • 主婦
  • 投資ファンド

など、特にこういう人が買っているという特徴はありません。

不動産投資のノリで、株も不動産もやっていて、ポートフォリオの分散として事業投資したいというサラリーマンが意外と多かったと思います。
あとは、もちろん経営者で、投資物件を探している人とかですね。

個人で会社を買うのはどういう人にオススメ?

個人で会社を買うことは、特に、

  • 起業したい
  • いい投資案件を探している
  • 地方移住したい

という方にオススメです。

もちろんスタートアップ型の事業で、世界にまだないものを価値として作り出したいという起業をする場合は、なかなかM&Aからは厳しいものがありますが、店舗やWebサービスをやりたいくらいなら、ゼロから立ち上げずに、既存の事業を買ってしまう方が速く、より高い確率でうまくいきます。
自分にしか立ち上げられない、世界一の技術を持つ会社を起業するとかなら話は別ですが、すでにだれかが立ち上げたものを買うことででも始められる起業はたくさんあります。
すでにだれかが立ち上げてうまく言っている事業を買うことで起業できるのに、わざわざゼロから自分で立ち上げるとかバカバカしいですよね。
それよりは、すでにうまくいっている事業を引き継ぎ、そこにプラスアルファの価値をつけて行く方が時間の無駄もなく生産的ですね。

あとは、退職した人がよくあるパターンとして、退職金でフランチャイズに加盟するというのがあります。
それで、コンビニや学習塾などをはじめて、大体は大失敗するパターンです。
よくWebのメディアやニュースとかで、フランチャイズに失敗して悲惨な目にあったという話を聞きませんか。
退職金を高額なフランチャイズの加盟金に投入して、結局儲からず生活できなくなるみたいなやつです。
しかも、フランチャイズから抜けるためには、また脱退金みたいなのを払う必要があり、やめることもできず、人生詰んでしまう人が少なからずいます。
Googleで「フランチャイズ 脱退 訴訟」などと検索したら、めちゃくちゃ記事が出てくるので、フランチャイズに加盟して起業しようとする人は、一度読まれたらいいかと思います。
変なフランチャイズに手を出すくらいなら、すでにうまくいっている事業をM&Aで買う方がよっぽど賢いですよ。

次に、投資としては、不動産投資ほど簡単ではありませんが、すでに黒字の店舗のオーナーチェンジとかを狙うと、結構いい利回りが取れることがあります。
あとは、多少赤字だったり、黒字でも利益の少ない店舗はすごく安く取引されていて、少し経営の感覚があって一気に利益を増やすことができれば、短期間で何倍の価値にもなる店舗になります。
特に、飲食店をこれまで経営してきたとか、学習塾の会社にいたとか、船井総研みたいなところで店舗のコンサルタントをやってきたみたいな人が、その方の経験から得意な業種の事業を買うとすぐに業績が改善できることが多く、そうするとあっという投資資金が数倍になります。

最後に、意外と需要のあるのは、地方移住を希望する方が買うパターンです。
地方移住のハードルの一つは、仕事がないことですよね。
田舎に戻ってのんびり暮らしたいと思っても、田舎にはどうせ仕事がなく、仕事がないと生活ができなくなります。
かといって、全然知らない土地だと知り合いもいない中、ゼロから店舗などを立ち上げるのも一苦労です。
そういうときに、すでにその地域でうまくいっている店舗などの事業を買収することで、生活の糧になる仕事が手に入りますし、場合によっては元オーナーやお客さん、商店街組合とかを通じて地域のコミュニティにもスムーズに入っていけます。

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実際に買ってわかった12の教訓

基本的な知識はこれくらいでいいかと思いますので、ここからは実際にこれまでの私の経験から、これから個人で会社や店舗を買うという人に参考になると思う教訓をまとめていきたいと思います。
ぱっと思いついたのが12個だったので、とりあえず12個だけ。
他にもいろいろあるので、気になる方は問い合わせからご相談ください。

教訓①:あやしい仲介会社がいっぱい

なによりも教訓として学んだのは、M&A仲介業者には、怪しい業者がたくさんいるということです。
M&Aの仲介業者をやるために、資格は必要ありません。
不動産の仲介業者は宅建がないといけないのに対して、M&Aの仲介業者はだれでもなれます。
経営コンサルと同じです。
なので、身元のよくわからない信頼できない人もやっていますし、おそらく詐欺会社もたくさんあります。

知識不足な業者が多い

M&Aの仲介やアドバイザーをするためには、資格はありません。
検定みたいな感覚で取得する民間資格はありますが、独占業務を持つようなものではありません。
そうすると、私もまだまだひとのことはいえませんが、やはり知識不足の方が多いんです。
たとえば、地方の士業の方が、専門外だけど、お客さんとかから相談受けるからとりあえず名乗ってるみたいなのがよくあります。

私の経験でいうと、一度行政書士の方がやっているM&Aの仲介会社で、あるサロンを購入しました。
その方は、結構サロンの売買では活躍されているというか、案件をたくさん昔から持っておられます。
その方から購入する際、聞いていた財務内容と実際は全然違うということがありました。
行政書士の方なのですが、さすがに長年仲介業をやっているんだから、売り手が出した決算内容くらいは正確かどうかチェックしてくれてるやろと思ったのが、あまかったわけです。

「〜万円くらいの案件で、GL(総勘定元帳)まで見ますか?」

といわれ、たしかに個人店舗で決算資料もしっかり作ってないようでしたし、安い案件だったのと、急いで買いたかったのもあり、言われた数字を信頼して手をだしました。
そしたら、あとから未払いとか簿外のものがいくつも出てきて、実際の想定よりも遥かに悪いBS/PLだったことということもありました。
表明保証違反で訴えればいいやんって言われると思いますが、現実的には訴訟費用が高かったり、相手に支払い能力がなかったりで、あとで気づいてもどうしようもないのがほとんどのケースです。
もちろん契約書はきちんと作りますが、実際になにかもめたら多くの場合は諦めるしかありません。

さすがに、これは若気の至りでしたね(笑)
私は、こうやっていろんな経験しながら、徐々になれてきました。

M&Aのアドバイザーや仲介をやっているからといって、知識が十分にあるわけではありません。
ノリで、

「全然すぐに黒字にできますよ」

などと軽く言ってくる仲介業者の方とかも多いですが、冷静に考えると無理だろという案件がたくさんあります。

大きいM&Aだとしっかりとした知識と経験を積んだプレーヤーが多いですが、特に個人や中小零細企業が手を付けるM&Aの仲介業者やアドバイザーは、信頼しすぎないことも重要です。

M&Aのイベントに注意

最近、スモールM&Aがニュースとかで取り上げられるようになり、M&A関連のイベントも増えてきました。
もちろん全うなイベントも多いですが、中には、詐欺イベントも。
場所だけいいビルの会議室とかを借りてやっているだけで、実はバックエンドで無知な人を取り込みに動いているイベントもたくさんあります。

M&Aのおとり広告に注意

M&Aの案件には、おとり広告が横行しています。
おとり広告というのは、実際にそのM&Aの案件を持っていないにもかかわらず、M&Aの案件を持っているかのように見せかけているものです。
少しずつ改善してきている会社もありますが、オンラインマッチングサービスでは、実際に案件を持っていなくても簡単に案件の登録ができます。
そこで、めっちゃくちゃ美味しいように見える案件を登録しておいて、問い合わせて来た人に現実にその会社が持っている別の案件を勧めるというものがおとり広告です。

不動産の場合、宅建業法上、おとり広告をすると、重たい処分だと業務停止や免許取り消しになります。
宅建業法である程度歯止めを掛けられているにもかかわらず、それでもこのおとり広告がよく社会問題になります。
いくら宅建業法上のペナルティがあっても、おとり広告がなくならない現状なのです。

それが、なんの規制もないM&Aだとどういうことが起きるかは、容易に想像がつきます。
大きな問題になっていないのは、まだまだ未成熟な市場ということや、不動産と違い、プロではない普通の人がたくさん参戦している市場になっていないからです。
今後市場が大きくなり、より素人が参入してくるマーケットになってくると、徐々に問題が顕在化していくと思われます。

教訓②:期待値を上げすぎない

スモールM&Aの場合、期待値を上げすぎないことが重要です。
特にサラリーマンで、大企業にお勤めの方に言いたいのが、この期待値をあげないことが重要という教訓です。

たとえば、買収後の経営で、スタッフのマネジメントをしないといけません。

大企業と違い、店舗やスモールビジネスでは、優秀な人材がほとんどスタッフにいません。
社長ですら、まちの居酒屋のおっちゃんだったりします。
大企業だと、「こいつ、使えないな」というくらいの人材が、スモールビジネスで流れている案件は、「こいつが一番まし」になることも多々あります。

大企業の論理で、

  • ロジックが正しいんだからやるの当たり前
  • みんな成長したいとか、上昇志向とか持っているはず
  • 上司の言うことをきくのが当然
  • ミスをしたらだめ

などの社会人として当たり前の前提が通用しないことが多々あります。
スタッフが喧嘩するなんてことも当たり前にありますし、無断欠勤や突然の行方不明、スタッフがお金を盗むこともあります。

これまでのご自身の輝かしいキャリアで身につけた常識から考えられる期待値でいくと、

「経営がこんなにめんどくさいと思わなかった。」

などということになりかねません。

スタッフマネジメントの他にも、ハンコや書類がめんどくさいというのも多くあります。
何かにつけて代表のハンコが必要になりますし、役所に提出する書類もこんなにあるのかというくらい発生します。
また、いちいち登記簿を提出しろとか印鑑証明もいるとかいわれると、その都度法務局や区役所に取りにいかないといけません。
経営者的には当たり前なのですが、サラリーマンでしか経験のない方は、意外とこういう雑務があるということを知っておく必要があります。

会社を買う上で、どんなに手のかからない仕組みができている事業であっても、経営をするということはめんどくさいことが多いです。
「すでに儲かっている事業を高い金を出して買うんだから、簡単に投資資金の回収ができるものだ」というような過度な期待値のあげ方は、あとで大変になります。
どんなに良さそうなM&Aの案件でも、

「あとで大変になるかもしれないけど、どんなに大変になってもやりきる」

という覚悟を持って、買収してください。
もしかしたら、周りの経営者で副業で店舗を持っていて、簡単そうに見えるかもしれませんが、それは経営者として経験を豊富に積んでいる方がやっているからです。
サラリーマンが買う場合、どんな事業であれ自分で稼いできた経験のある経営者と同様に簡単にいくと思っていると、痛い目にあいます。
逆にいうと、一度その領域をクリアすると、できることが一気に増えるので、いろんなチャンスが出てきます。

教訓③:税金や経理がめんどくさい

サラリーマンをやっているとなかなかわかりませんが、個人で会社や事業を買うと、税金のことや経理をやらなければならなくなります。
みんなやっていることなのでなれれば問題ないのですが、最初は、たとえば

「経費ってなに???」

って世界だと思います。
私みたいなバカは最初に会社を作ったときこういう基本的なことすら知らずに苦しんだのですが、

  • サラリーマンにとっての経費:会社に請求できる費用
  • 経営者にとっての経費:利益を減らして税金を安くするもの

という根本的な概念の違いがあったりします。
他にも、

  • 税理士って誰に頼めばいい?
  • これって経費になるの?
  • 請求書と領収書はどこまで取っておくの?
  • マネホやfreeeはどうやって使うの?
  • 税務署などの役所には何を提出しないといけない?
  • 人を雇うときに必要な書類は?
  • 印紙ってどういうときにはるの?
  • 売上や支出はどう管理したらいいの?
  • 確定申告とか決算ってどうやってやるの?
  • いつから法人にすべき?

などなどを一つずつ学んで行く必要があります。

別になれたらめんどくさいだけでたいしたことではありませんが、最初はわからないことだらけで、ストレスがたまります。
一度乗り越えたらいいだけで、事業をやっている人はみんな乗り越えてきた道です。

サラリーマンでこれから会社を買ってみようと思う方は、こういうことをやらないといけないということ知った上で買うかを考えてください。
いくら投資案件で、自分がオペレーションには一切タッチしないでも大丈夫な事業でも、BS/PLは見ないといけませんし、代表者として各種書類を作成したり押印しないといけません。

教訓④:売上を上げることは難しくない

買った後の黒字化がちゃんとできるか、過度に心配している方もいらっしゃいます。
たしかに、これまでサラリーマンで商売の経験がないと、本当に売上が作れるのかと心配になります。
起業した人でも、最初の1件の売上は緊張するというか、はらはらします。
まして、スタッフのいる事業だと、スタッフの雇用に責任がありますしね。

わたしも運営していたスモールビジネスの売却も何度か経験しているのですが、交渉が進むにつれ、不安になられて、やめるという方がいらっしゃいます。
大体は、サラリーマンで副業で事業を買いたいと言ってきた方です。

気持ちは、たしかにわかります。
私も最初に店舗を買ったとき、本当に売上があがるのか、頭では大丈夫とわかっていても、実際はどきどきでした。
また、2度目や3度目でも、これまでやったことのない事業だと、心配になるものです。

ただ、恐れすぎても仕方がありません。
特に、M&Aで事業を始める場合は、すでに動いている事業です。
なので、当然1件目の売上なんて、あっけなく上がります。
すでに動いている事業なので、当然ですよね。
なので、はじめて事業をする人には、ゼロから起業するよりも、M&Aで始める方がやりやすいんです。
これまでその事業が継続してきた、当たり前のことをやるだけです。

怖いからやめるという選択もときには重要ですが、心配しすぎて目の前のチャンスを逃すこともあるので、恐れすぎないことが重要です。

教訓⑤:本業でやるより副業の方が成功率が高い

個人や中小零細企業で会社や事業を買うことで、買収後に成功率が高いのは、実は「本業でない」というのがポイントになることも多々あります。
実際、私も買った店舗を反対に売却したこともあり、そのときにきた問い合わせとして、

「副業ですけど、できますか?」

というのが多くありました。
副業だからできるか心配というのは気持ちはわかりますが、わたしの経験や周りで個人で会社や事業を買った人を見ていると、「生活がかかっていない」というのが競争力になっていることが多々あります。

たとえば、生活がかかっていないことで、踏み込んでコストが掛けられたりします。
特に、集客のための広告費と採用のための求人広告で、生活がかかっていないと思い切りできるので、強いなというのが実感です。

ホットペッパーくらいにちょっと出すならそこまで覚悟入りませんが、ケチって低いプランにして集客できず、また別の広告を出して、コストがかかるというのがよくあります。
思い切って、これがいいと思う広告に出稿することが重要で、広告費をケチることで逆に広告費が無駄になります。
結局効率のいい広告運用をしている方は、広告費を絶対値の額でやすいかどうかよりも、しっかりROIをみて投資しているわけです。
結果、月間の広告費が数十万円〜数百万円と、投資額が大きくなることもあります。
たしかに、本業でやっていて、その事業の利益=本人の収入という場合は、なかなか高額の投資に踏み込みにくいものがあります。
これが、副業でやっていて、自分の生活と関係ない場合、そんなことを気にせずに最適と思う広告に資金を投下しやすく、結果的に勝てる確率が上がることが多いです。

また、採用のための求人求人はさらに深刻なことが多いです。
労働集約的なネイルサロンとかの業態だと、売上がスタッフ数に依存します。
スタッフがやめたタイミングで、売上ががたっと落ちるわけです。
そんな中で、店舗や事業のオーナーは、月間数万円や数十万円を掛けて、求人広告を出さなければなりません。
昨今の人材不足の中、求人広告費も上がっています。
ただでさえ、店舗の利益が減って自分の生活が厳しくなるタイミングで、さらに広告費を出さないといけないのです。
しかも、それを拒むと、いつまでもスタッフが入らず、どんどん状況は悪くなり、最後はまたその店や事業を手放すか廃業することになります。
そこで、本業だと厳しいですが、副業だと自分の生活と切り離してやるべきことが明確にできます。
なので、わたしの経験やまわりの店舗を買った経営者をみていても、

  • 本業→生活が厳しくて、だらだら広告費をケチっているうちに、売上が落ちて最後は資金がショート
  • 副業→生活の心配がないから、思い切って必要なスタッフの調達に動き、結果的に売上の回復が早い

という差が生まれやすいように思います。

経営判断として、思い切ってやらないと、いつまでも出血が止まらないことはたくさんあります。
そんなとき、本業でその事業をしていると自分の身銭を切っている感があり、なかなか正しい判断ができないことがあります。
その点、副業だと、自分の身銭感が少し弱くなるので、思い切った投資ができ、勝負に勝てる人が多いように思います。

もちろん、本業でも、思い切って踏み込んで広告費を使える人はいますが、みんながみんなハートが強いわけではありませんよね。

教訓⑥:仲介料は絶対けちるべきじゃない

M&Aの場合、仲介料が結構高いです。
レーマン方式といって、買収金額の数%になることが普通ですが、仲介業者によっては最低金額として、数百万円が必要になります。
結構高いですが、この仲介料は無駄にケチらない方がいいことが多いです。

中には、仲介料が20万円くらいで安い仲介業者もありますが、安かろう悪かろうなことが多いです。
当たり前ですよね、わざわざ仲介料を下げないと買い手がつかない事業がそういうところに集まります。

「でも、500万円の案件を買うのに、300万円も手数料払ったらあほやろ」

っていう意見もわかります。
私も最初はそう思っていました。

ただ、たとえば、

  • 仲介料20万円、赤字50万円/月、譲渡金額500万円
  • 仲介料300万円、黒字50万円/月、譲渡金額500万円

どどちらがいいかというと、後者が絶対にいいと思います。
実際、個人で会社を買う規模のM&Aでは、こういうことが起きています。
前者は500万円も値段がつかないような店舗ですが、見せ方として仲介料を下げている代わりに、譲渡金額を高くしていたりします。
もしくは、なにも考えずに高い譲渡金額を設定していて、それでも仲介料が安いから買い手がくるケースとかですね。

ケチってへんな案件を掴むくらいなら、いい案件を掴んだ方がよっぽどましです。
この仲介料も含めた買収金額だと思って、譲渡金額を見ることが必要です。

私もはじめの頃、20万円の仲介料のところから店舗を購入したことがありますが、大変苦労しました。
聞いていた財務内容とは違うは、あとで未払いとかが出てくるは、スタッフが大喧嘩するは・・・ホントい苦労した店舗でした。

教訓⑦:出回り案件に注意

M&A案件にも、不動産と同様に、出回り案件というのがあります。
M&Aの業界にも不動産の業界にも、知らず知らずのうちに、売却物件がいろんな業者やWeb媒体に拡散されてしまうことがあります。

  • 「この物件、どっかでみたなー。」
  • 「この案件、別の媒体にも掲載されてたな」
  • 「これ、前に別の仲介業者から紹介されたやつや」

みたいな物件です。
業界では、そういういろんな売り手の仲介業者に回されているものを、「出回り案件」といいます。

容易に予想がつくと思いますが、出回り案件は、売れないから出回り案件になります。
一度出回り案件になってしまうと、買い手やM&Aアドバイザーから敬遠されて、売却が非常に困難になります。
そういう出回り案件はそのうち仲介料の無料や安いところで、何も知らない素人が手をつけます。
なので、変に仲介手数料をケチって、出回り案件をめっちゃあつかっているブローカーみたいな業者から会社を買うのはオススメしません。

教訓⑧:ネットのマッチングサイトだからNGは時代遅れ

出回り案件に注意しないといけないという話をしました。
一時期は、ネットのマッチングサイトや、サイトM&Aの公開されている案件とかは、出回り案件だらけなんてこともありました。

ただ、最近は、M&Aのマッチングサイトも増えてきて、ネットには出回り案件しかないというのも間違いです。
たしかにあやしい案件は多いです。
なので、買い手側がしっかりと優良なネットマッチングを使ったり、知識を持って案件を選別することが必要です。

ネットのマッチングサイトにも、出回り案件じゃない優良案件はたくさんあります。
特に売りやすい事業の場合であったり、私みたいに売却をしたことがあって要領がわかっているような場合、わざわざ数百万円の仲介手数料を払わずに、注意してM&Aのマッチングサイトで売り払うこともあります。
なので、反対にエージェントが持っていない案件が、M&Aのマッチングサイトに掘り出しものとして転がっていることもあります。

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教訓⑨:士業はいい加減なことも多い

個人で会社を買ったりすると、士業との付き合いが発生してきます。
契約書は弁護士、会社設立は司法書士や行政書士、税金は税理士、人を雇うと社会保険労務士など、これまでサラリーマンをしていたら、仕事で付き合うことがほとんどない人と仕事をする機会が増えます。

そんなとき、

「士業は国家資格を取得しているから、どこもクオリティは一緒やろ」

と思い、格安だけを追い求めて士業に仕事をお願いすると、痛い目にあいます。

  • 実は知識がない
  • やっつけ仕事
  • 専門外の分野
  • そもそも仕事ができない

だったりで、非常に低いクオリティの提案やアウトプットが、頻繁に出てきます。

「士業でプロのはずなのに、素人の私に指摘受けないと気づかないってどういうことやねん」

って心の中で突っ込んだことは、たぶん数百回はあります。

もちろん大企業とかで付き合ってるようなめっちゃクオリティの高い士業は別ですよ。
ただ、個人がちょっと店舗とか会社を買って付き合えるような士業の先生は、そんなもんのことが多いです。

なので、何でも任せておけばどうにかはなりません。
法律、税務、会計などを、素人なりにも必要なものから学び、信頼できるアウトプットかくらいは考えられるようにならないは勉強する必要があります。

教訓⑩:買収資金以外にも多くの資金がかかることがある

買ってみると、実は買収資金以外にも多くの資金がかかることもあります。
買い取りの資金だけでは終わらないととが多々あり、たとえば

  • 弁護士や税理士など士業に払う費用
  • 賃貸不動産の名義変更のための保証金や保険料
  • 税金

などは容易に想像できるかと思います。

さらに、細かい話ですが、最初のうちは何度も店にいかないと行けないこともあるのでその交通費だったり、スタッフとの関係を作るために飲みに連れていったり、買ってすぐに仕入れが発生したり、新しい機材を買うこともありますよね。
買収前の過去の決算資料から当面の運転資金を計算して、それに少し余裕を持っておくことが必要です。

教訓⑪:節税効果もでかい

案件の規模や顧問税理士にもよりますが、うまく節税ができることも多くあります。
税理士に基本的には任せることになりますが、買収金額が損金に計上されますし、業態や契約書の作り方によっては、のれんの5年償却ではなく、一括損金にしてくれたりもあります。

また、特にサイトM&Aとかだと、買ったあとに売却することが簡単です。
店舗とかだとスタッフや賃貸不動産の契約書を作り直したり様々な名義変更をしないといけないのでめんどくさいですが、サイトM&Aはサーバーとドメイン名を移すだけだったりします。
なので、わたしはやっていませんが、決算前にまとめてアフィリエイトサイトを購入して損金を作り、決算またいでしばらく運用してすぐに転売することで節税している人もいるらしいです。

教訓⑫:契約書だけは弁護士費用をケチらず作る

仲介料とかでケチって無料サイトを使ったとしても、契約書だけはしっかり作るなり、プロにチェックをしてもらいましょう。
弁護士費用は高いですが、ここはケチるところではありません。
もちろん契約書1通作るのに10万円以上かかるような法律事務所にお願いする必要はありませんが、大体3万円〜5万円程度は掛けて作ったりチェックしてもらうのがいいですね。

たとえば、サイトM&Aで薬事法などに思い切り引っかかる記事がたくさんあるサイトを購入するか検討していた際、売り手があとで表明保証違反とか言われるの嫌なのだと思いますが、軽くメールとか資料に薬事法にかかる記載が含まれている旨を書いてアンチサンドバッギング条項の入った契約書を送りつけてきたやつがいました。
アンチサンドバッギング条項というのは、売主による表明保証に違反があることを知りながら、契約を締結し又は当該取引を実行したら、事後的に売主に対して当該表明保証の違反に基づき補償請求できないことをいいます。
WELQとかの問題が大きくなる前は、以前はそこまで薬事にうるさくなかったので、ROIの大きそうなアフィリエイトサイトなら目をつぶって買うという人もいましたが、最近は薬事にかかっているとアフィリエイト広告主からの修正依頼や提携解除などもあります。

あとは、しれっと表明保証の期間をめっちゃ短くされてたり、意外とこの規模の契約書でもワナが仕掛けられているのをたまにみます。
なので、契約書は、弁護士費用をケチらないことが大切です。

個人で会社を買うスモールM&Aで見るべきポイント

次に、個人や中小零細企業で会社を買う際に、最低限見ておくべきだと思うことをまとめていきます。
業種によって違いますが、どの業種でもここがポイントというところかと思います。

あくまでも私の経験から個人や中小零細で会社を買う際にみるべき最低限のチェックポイントなので、一般的なM&Aの際の買収企業をみるチェックポイントとは少し違います。
教科書的なチェックポイントは、本屋にいって立ち読みして、良さそうな本を一冊買ってきて勉強してください。
売却額が数百万円くらいのM&Aだと、そこまでは不要だと思いますが。

財務状況

決算資料をどこまで見るかは、人によりますが、多かれ少なかれチェックします。

私の場合、正直そんなに詳細まではがっつりはみないことにしてます。
というのも、そもそも決算資料がないこともありますし、一応帳簿はつけてあるけど、いい加減などもあるからです。

まずは、売上とコストを把握します。
どれくらい売り上げてて、それにどれくらいのコストを割いているか、またそれらの数字がPVとかスタッフの稼働状況からみて本当かなどです。

特に、事業譲渡がスムーズに行かずに売上が万が一落ちたときに、ランニングコストが最悪いくらかかるかはしっかりとチェックします。
なので、無駄にいい立地の店舗とかで、月の賃料が50万円とか100万円のところは、NGにすることが多いです。
このレベル感は人によって違うので、もしもっとキャッシュを持っていて、別に数ヶ月の間に数百万円が毎月タレ流れてもたいした額じゃないという方は、50万円とか100万円の賃料とかでもいいと思いますし、ひとによりけりです。
自分の収入や資産から、このくらいなら立て直しに数ヶ月かかっても耐えられるな、痛くないなというラインを設定して、それ以上の分不相応な案件に手を出さないことです。

もちろん、勝負をかけるときもあります。
この店舗は絶対いけると思ったら、月100万円であろうが、いくらでも勝負をすればいいと思います。
それを止めるつもりではありません。
うまく行きそうで自信があるなら、あまり気にする必要はありません。
自信がなかったり、五分五分の勝負をするときなどは、この最低限必要なコストの水準をしっかりみます。

顧客リスト

次に、どれくらい顧客リストがあるかです。
呼び方は顧客名簿でも、会員数でもなんでもいいですが、ユーザーやお客さんのリストが重要です。
しかも、その顧客リストが使えないと意味がありません。
しっかりと基本的な情報が取得されているかも含めて、顧客リストがどれくらいあるかを見ます。

ゼロから立ち上げるのと違うところのひとつが、この顧客リストがあるかどうかです。
買収金額と同じ額を掛けてゼロから事業を立ち上げることもできますが、リストもゼロから取らないといけません。
それには時間がかかるので、会社や事業をM&Aで買ってしまった方が早いですよね。

あと、私の経験で、意外と盲点だったのが、顧客リストがどれだけ使いやすい形であるかとかも重要です。
私は、一度、買った店舗でリストが保管されていたのですが、すべて紙ベースでした。
オンラインに入力してからでないとメルマガなどが送れず、入力にアルバイトを雇うことで多額のコストがかかった記憶があります。
ある程度の規模の事業とかだとしっかり整備されているかと思いますが、特に個人や中小零細企業で買うような小さな会社や事業の場合、リストはあるけど使えないということもあるので念頭に置いてチェックします。

売上が個人に紐付いていないか?

売上が前オーナーの個人に紐付いていないかを、きちんと確認しておく必要があります。
特に、ヘアサロンやネイルサロン、教室系のビジネスなど、施術者や講師にユーザーが紐付いているときに、要注意です。

M&Aで事業をだれかに引き継ぐ際、その元のオーナーがやめることで、顧客やユーザーが離れてしまうことがあります。
もしくは、ひどいときには、前のオーナーがお客さんを連れていってしまうこともあります。

契約書に競業避止義務いれとけと言われるかもしれませんが、実際どこまで効果があるのか微妙なところです。
もちろん、入れるのは重要だと思います。
ただ、わたしも何度か競業避止義務について弁護士と相談したことがあるのですが、あまり意味ないよとおっしゃる先生が多いです。
なので、競業避止義務に期待しないと行けないような事業は、気をつけた方がベターです。

もちろん、小さい事業であればあるほど、オーナーにお客さんが紐付いている可能性は高くなるかと思います。
なので、ある程度は仕方がないと思います。
仮にオーナーにお客さんが紐付いているときでも、しっかり引き継ぎをして、お客さんをケアすることで、逃さず継続的にその事業のお客さんでい続けてくれることもあります。
なので、オーナーに多少でもお客さんが紐付いてしまっているときは、お客さんの引き継ぎがしっかりできるかや、お客さんの引き継ぎまでサポートしてくれるかを、事前に確認します。

ノックアウトファクター

買う会社や事業の業態によって違いますが、ノックアウトファクターの有無も確認します。
ノックアウトファクターというのは、これがあったら一発アウトで買収しないという評価基準です。

どういうものがあるかというと、条例とか法令に引っかかっている、ないしはグレーな点などです。
たとえば、葬儀場を買うとすると、条例上葬儀場ができるエリアが決まっています。
この場合は、その事業がその条例に引っかからないかなどです。
サイトM&Aでいうと、コピペががっつりされているような著作権侵害がないかを見たり、薬事法等の制限に問題がないかとかをみます。

ただし、ノックアウトファクターは相対的なもので、私はクリーンなものしか手をつけませんが、人によっては多少グレーや黒くても大丈夫という人もいます。
多少著作権違反でも、指摘されたら直したらいいねんって人もいますので。

スタッフが採用しやすいか?

スタッフが採用しやすいかの視点は、実は超重要です。
ある程度大きい会社のM&Aとかだとそんなに関係ないかもしれませんが、店舗や中小零細企業の場合、昨今人材が全然採用できません。

特に、資格のいる業種などは、需給が逼迫しやすいです。
たとえば、美容師さんなどですね。

M&A案件をみると、売却理由に、

「スタッフが足りないため」

と書かれていることが多々あります。
これは、事業としてはうまくいくけど、人が雇えないからなくなく廃業するパターンです。
後継者不足と書かれているものも、同様のことが多いです。

そういう事業を、

「人くらい求人広告出したら簡単に雇えるやろ」

となめて買ってしまうと、結局人が雇えず赤字を垂れ流し続け、投資資金の回収もできません。
最近は、求人広告を出したくらいでいいスタッフが雇えるほど、経営者にとって労働市場はよくありません。

ただ、本人が美容師さんとかで資格を持っていて、自分でやればいけるという場合は、逆に美味しい案件なこともあります。

私は、事前に人材紹介会社にヒアリングを入れたり、媒体を探して問い合わせておいて、

  • この媒体に出せば採用できそうやな
  • 大体これくらいの採用コストがかかるな
  • 採用が万が一できないときはこうすればいいかな

というようなことを事前に計画しておきます。
そこまで考えて、これは危ないと思った案件は、相対的に安い価格になっていて美味しいように見えても、絶対に手を出しません。

労使関係

スモールM&Aだと特に細かいことはみないですが、労使関係だけはしっかり見るようにしています。
ちゃんと雇用契約を結んでいるか、未払いの賃金や残業代がないか、就業規則などはしっかり整備してあるかなどです。

決算資料に多少の漏れとか間違いがあってもそこまでダメージはくらいませんが、労使は揉めると本当にめんどくさいです。
ここだけは細心の注意を払うべきです。

譲渡希望金額の算定根拠

あとは、譲渡希望金額を先方が提示してくると思いますが、その算出根拠もしっかり聞きます。

大体は、売上や利益の12ヶ月とか24ヶ月分とかいう明確な基準来るのですが、たまに、

「ここまで開発するのにこれだけのお金がかかってるんで」

という交渉をしてくる人がいます。
別にその交渉が悪いとはいいませんし、実際のところ結構多いのですが、私はこのケースは買いません。

すべてではありませんが、そのような交渉をしてくる事業は、そもそも自分の投資した資金で作り上げた事業が微妙なくせに、その失敗作を押し付けているだけという側面が強い事業が多い気がするからです。
その投資資金を事業で回収できないからといって、同額の投資資金で事業を売りつけてこようとするのは、経営者としてアホです。

しかも、大体こういう交渉をしてくる売り手は、うまくいかない事業を投げ売りたい場合で、しかも値段がつかないから最終手段的に言い訳としてこのような交渉してきます。
いまは、売り手よりも買い手の方が圧倒的に多いので、それでも素人はひっかかって買うこともあります。
そこを狙って交渉してきているんですね。

一瞬、「たしかに」と思うかもしれませんが、M&Aの売却金額はあくまでも「事業の評価」です。
これまでいくらその事業を作るのにかかったかではありません。

なので、売却額が現在の財務状況からみて高いかどうかをしっかりと見るようにしています。

もちろん、例外はあります。

  • 許認可を得たい場合
  • 売上はないけど豊富なリストがある場合
  • 魅力的な立地に店舗がある場合
  • 同じものを同じ金額を使って作ろうとしている場合

などなど、多少現在の売上や利益からみて高いかなと思う場合でも、絶対にこの事業がほしいということもあります。
そういうときは、許認可やリスト、立地の良い賃貸などを得るために払うコストとして割り切ったりもします。

会社を買うと老後の資産になるのか?

老後の生活のための資産として、会社を買おう的な話が多くあります。
最近もある方から、

「老後が不安だから、退職金で会社を買おうと思うけどどう思う?」

という相談を受けました。

「老後が不安だから」というのがなければ、「退職金で会社を買う」というのは、全然にいいと思います。
前述しましたが、退職金で変なフランチャイズとかで事業をしたり、田舎にいってゼロから起業するなどよりも、すでにうまくいっている事業を引き継いで、退職後の第二の人生の仕事にするのは非常にいいと思います。

ただ、老後の不安を解消するなら、会社を買うなんてやめた方がいいです。
その場合は、不動産買ったほうがよっぽどましです。
ワンルームマンションに投資して、安定的に収益を取りつつ、相続税評価額を下げて次の世代に引き継ぐのがはっきりいっていいと思います。
問い合わせから連絡もらえたら、富裕層がたくさん不動産投資している信頼できる方をご紹介します。

そもそも、会社や店舗がそんな何年も続くと思ったら大間違いです。
中には、何十年何百年も続いているような老舗もありますが、多くの会社は設立数年で潰れます。
ただでさえ元気な若者が、飲食店なら飲食店などの起業する業種で何年も仕事して準備して立ち上げた事業であっても、あっけなく潰れます。
それなのに、退職後はじめてやる事業で、いくらこれまで黒字を継続してきた事業をM&Aで買ったからといって、今後20年も30年もうまくいき続けるなんて、ほぼ奇跡に近いと思います。
というか、それができるなら、そもそも事業家としての才能があるので、老後の心配なんていらないかと。

個人的にアドバイスすることが多いのは、黒字の店舗を買って、ご自身の強みを活かすことで、数年は黒字でしかも増収増益ができると思います。
それで、短期的にバリエーションを上げ、財務状況がさらによくなったタイミングで再度高値で売るのが合理的かと思います。

個人が会社を買うときは戦略を考えるべき

個人が会社を買うときだけに限りませんが、何事も投資する際は、戦略が重要です。
個人や中小零細企業で会社や事業を買う際も同様に、戦略を考えて買うべきです。
戦略なくして、なんとなくROIがよさそうくらいで買わないでください。

起業の代わりに買う場合は、永遠に事業規模の拡大を追求するとかでもいいと思います。
実際、店舗を1店舗買った人のかなりの確率で2店舗目を買っています。
ノウハウがたまるので、2店舗も成功しやすいですし、そうすると3店舗目、4店舗目と大きくなっていきます。
そういう方も多くいます。
それも、個人で会社や事業を買って、経営する楽しみのひとつです。

ただ、上でも書きましたが、会社や店舗などは、永続的に業績好調で続けるのは、至難の業でもあります。
不可能とは言いませんが、一般の人で経営の経験が浅い人が狙ってできるものではないと思います。
その場合は、

  • 半年から1年で投資回収をして、すぐに売る
  • 投資回収ができたら、あとは潰れてもいいからできるだけ長く経営する
  • 数店舗までは買い進めて、まとめて売ることで、より高い値段をつける

などというように、買収後どうするかの見通しを持って、その会社や店舗などを買うか判断してください。

まとめ

今回は、スモールM&Aで個人で会社を買うなら知っておきたいことを、いろいろ教訓まじえて、まとめました。
ここに書いた内容は全然絶対的なものではないですし、M&Aの業界にいる人からは笑われるような内容も入っています。
でも、実際、これから個人や中小零細企業で会社や事業を買うという人には、これくらいの知識や理解でいいんじゃないかと思っています。

M&Aで会社を買ってやってみるって、大変なことも多いですが、面白いですよ!
一回はやってみてもいいんじゃないかと思います!

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